効果的なダイエットのコツ

くさい?!ダイエット臭(ケトン臭)に要注意!

 「ダイエット臭」または「ケトン臭」という言葉を知っていますか?

 ”臭”という文字からイメージされるとおり、においです。

 ダイエット中は、痩せることにばかり気にしてしまい、自分の体から発せられるニオイに気づいていない人、または自分のニオイに慣れてしまい気にならない人が多いです。
 自分では気づかないかもしれませんが、無理なダイエット、間違ったダイエットによっていやな体臭「ダイエット臭」を発生してしまっています。

ニオイチェックリスト

-チェックリスト-
□ ダイエットは食事制限のみである 。
□ 体を動かすダイエットはしていない。
□ 食べなければ痩せると思っている。
□ 食事を抜くことがしばしばある。
□ 人から口臭や体臭を指摘されたことがある。

 上記のチェックリストで2つ以上の項目に該当する方は、ダイエット臭を放っている可能性があります。

主な原因

  • ◆急激なダイエット

     極端な食事制限により、基礎代謝が落ち、少ない栄養の中でから体がエネルギーを作ろうする際にニオイを発します。
     「ダイエット臭」とも呼ばれるニオイです。

  • ◆糖尿病

     糖尿病は、糖代謝異常から代謝が落ちるため、体は脂肪をエネルギー源とします。その際に臭い物質が血液をめぐり、体臭を発します。

  • ◆運動不足

     慢性的な運動不足は筋肉が減り、代謝が落ちるので、ケトン臭を発しやすくなります。

  • ◆過度なストレス

     ストレスが過度に溜まりると自律神経が乱れ、ケトン体が生成されニオイを発します。

メカニズム

 ダイエット臭は過度の栄養不足によって、代謝が低下している時に発生します。

  • ◆初期段階:汗臭さ

     食事制限のみのダイエットをしていると、体内のエネルギー源である炭水化物やタンパク質が不足。からだは飢餓状態になります。すると、からだは自分の身を守るために、貯蔵していた中性脂肪を燃焼しようとします。この時に、中性脂肪は臭いを放つ脂肪酸に変化。この脂肪酸が汗と一緒に排出されると、汗臭さを強くしたような体臭、脂肪臭が発生します。
     この段階では体臭としては気がつかないことも多く、ダイエットによる空腹状態が唾液の分泌を低下させ、むしろ口臭を感じる、感じられることが多いようです。

  • ◆第2段階:アンモニア臭

     次の段階は、「アンモニア臭」。
     体内に酸素が十分行き渡らないままエネルギーを不完全燃焼させると、疲労物質・乳酸が生成されます。乳酸はアンモニアと一緒に汗に出る性質があるため、汗のアンモニア臭が強くなります。
     この段階では、「ちょっとにおうかな?」と体臭を気にする人も出てきます。

  • ◆最終段階:甘酸っぱさ

     さらに空腹のまま脂肪を燃焼し続けると、脂肪酸はさらに臭いの強い「ケトン体」と呼ばれる物質を生成します。
     ケトン体というのは、飢餓や糖尿病などで糖が不足した状態の時にエネルギーとして使われる物質です。体を動かさずに断食に近いダイエットを続けていると、その臭いは徐々に強くなります。
     口臭→汗臭い→尿臭の順番で臭いが現れ、最終的には体全体からツーンとした独特の臭い「ケトン臭」が発っせられるようになります。
     ちなみに、健康診断などで血液検査で血中にケトン体が確認されると、”飢餓状態にある”と診断されブドウ糖や栄養剤、ビタミン剤を補給するように指導されます。

恐怖!

 ダイエット臭がするということは、言い換えれば「そのダイエット法間違ってますよ」のサイン。代謝が正常に保たれた、正しいダイエットをしている人からはにおいません。

 通常、正しいダイエット法に戻せばなくなるのですが、ただ最終段階まで進むと、ダイエットを止め、体重が元に戻ってもダイエット臭(ケトン臭)だけがずっと残ることがあります。

 「痩せたい!痩せよう!」としている時は痩せることに集中していて気にならなくても、フッと我に返ったとき、嫌なニオイが体にずっと残り続けるのは恐怖です。

対策

 ダイエット臭を出さないための対策を紹介します。

  • ◆食事制限のみのダイエットはしない。

     ダイエット臭(ケトン臭)は、栄養不足によって代謝に異常が出ているサイン。食事を極端に制限するダイエットは、ストレスも加わり、急激にニオイを発します。
     無茶なダイエットは止め、必要な栄養はしっかりとって栄養バランスを保ちましょう。

  • ◆運動を心がける。

     基礎代謝の低下は、運動不足からきているところも大きいです。
     ダイエットをする時は、食事制限だけでなく、有酸素運動などでしっかり体を動かし、基礎代謝アップを心がけることが大切です。
     またニオイの元となるケトン体が唯一燃焼できるのが筋肉と脳です。ケトン体を消去するためには筋肉の燃焼力が必要。
     基礎代謝アップ、筋力低下を防ぐためにも、運動、体を動かすことを心がけましょう。

  • ◆汗腺機能を高める。

     ダイエット臭(ケトン臭)は、基礎代謝低下だけでなく、汗腺の機能が低下していることも原因になっています。
     ゆっくりと入浴し、汗腺を開きしっかりと汗をかく体を作りましょう。日頃エアコン漬けで汗腺機能が低下した方には特にオススメです。

  • ◆ダイエット臭を防ぐ食材を食べる。

     アミノ酸やクエン酸は代謝を高めてくれます。代謝が高まるとニオイを抑えることができます。
     ダイエット臭(ケトン臭)を防ぐ食材を食べましょう。

    -主な食べ物-
    ・クエン酸などの有機酸を多く含む酢や梅干し、グレープフルーツなどの柑橘類
    ・汗腺機能と高め、血行を良くし、代謝アップに役立つショウガや葛
    ・脂肪酸を分解するマッシュルーム
    ・アミノ酸を多く含む昆布やわかめなどの海藻類

    その他、こんにゃく、椎茸、大豆、バナナ、緑黄色野菜などもオススメです。

まとめ

 間違ったダイエット法によって発せられる、独特の嫌なニオイ「ダイエット臭(ケトン臭)」。

 無理なダイエットをしているサインであり、無理なダイエットは体に大きな負担をかけるだけでなく、嫌な体臭を生み出す原因に。ひどくなると、ずっと「ダイエット臭(ケトン臭)」だけが体に残ってしまうことがあります。

 初期段階では、自分では気づきにくいニオイだけに注意が必要です。