効果的なダイエットのコツ

食欲のしくみとは

 食欲は、脳の視床下部にある「摂食中枢」と「満腹中枢」によってコントロールされています。

生理的な食欲

◆血糖値が低下すると食欲がわく。

 血液中のブドウ糖濃度を「血糖値」といいます。

 血糖値は食後上昇しますが、だんだん低下し、やがて空腹時血糖値になります。この血糖濃度に脳の視床下部にある摂食中枢が反応すると、空腹感が生まれてきて食欲がわきます。

 一方、血糖値が空腹時血糖値の約2倍になると、視床下部の満腹中枢が反応し、満腹感が生まれます。

◆胃壁が縮むと食欲がわく。

 胃に食べ物が入ると胃壁がのびます。すると、その変化に副交感神経が反応し、満腹中枢を刺激。満腹感が得られます。

 一方、胃の内容物が腸に送られると、胃壁は縮みます。その変化に交感神経が反応し、摂食中枢を刺激。空腹感が生まれます。

感覚的な食欲

 食欲は、食べ物の見た目や温度、色、形、香り、食感、料理を作る音、食事をする雰囲気によって影響を受けます。

 口や目、鼻、耳などから神経を通して大脳皮質のそれぞれの感覚野に送られ、味や色、香りなどの情報が統合されます。その結果、これまでの食体験の記憶・知識などが脳の扁桃体という部分で統合され、「おいしい」や「まずい」などの判断がなされます。

 そして、「おいしい」と判断すれば食欲がわき、「まずい」と判断すれば食欲は起こりません。

一口メモ:”別腹”は脳がつくりだす?

 よくスイーツは”別腹”だから、とお腹いっぱいなはずなのに食べてしまうということよくあります。

 例えば、おいしそうなケーキ。
 これは、おいしそうなケーキの色や形、以前に食べたケーキのおいしかった記憶などが扁桃体で統合され、脳内にドーパミンという快感物質が増えて摂食中枢を刺激するからなんです。
 その刺激が生理的な満腹感を上回ると、別腹があるかのようにケーキを食べてしまいます。

 ”別腹”とは、胃ではなく、脳がつくりだす食欲です。