効果的なダイエットのコツ

脂肪細胞のつく場所で変わる健康への影響とは

 脂肪は、人間が生き延びるために必要なエネルギー源です。

 脂肪1gにつき9kcal。
 糖質1gが4kcalであるのに比べ、少量で多くのエネルギーを蓄えておくことができます。女性の皮下脂肪は、妊娠、出産に備えたエネルギーの貯蔵庫です。

つきやすい場所

 本来は有益なものですが、これが増えすぎ、過剰になると問題!
 その多くは、皮膚の下や内蔵にある脂肪細胞に溜まります。それぞれの脂肪細胞は形や働きは同じですが、溜まった場所によって起こる健康影響が異なります。

◆皮下脂肪:美容や体重増加に関係する。
 皮膚のすぐ下の脂肪細胞にたまる、「おとなしい」脂肪です。
 健康のためにはある程度の量が必要で、比較的健康障害は少ないのが特徴。しかし、多すぎると体重が増え、お尻や太ももなどに脂肪の塊「セルライト」ができる美容上の問題や、関節痛、睡眠時無呼吸症候群などを起こします。
◆内臓脂肪:危険な脂肪。
 内臓を支える「腸間膜」の脂肪細胞に溜まる「危険な」脂肪です。
 多すぎると、生理活性物質(レプチン、PAI-1、アディポネクチン、アンジオテンシノーゲン、TNF-αなど、体の機能を整えるために必要な物質)の分泌バランスを崩し、糖尿病や脂質異常症、心筋梗塞などの病気を引き起こします。
◆異所性脂肪:ついてはいけないところにつく。
 脂肪細胞ではなく、筋肉や肝臓などの細胞に溜まる脂肪です。
 血栓の原因になったり、糖尿病などを起こしやすくなります。

 内臓と異所性の脂肪は、健康への被害が大きい大変危険な脂肪です。その一方で、減りやすいという特徴があります。食生活の改善と有酸素運動が重要になってきます。